2013/09/25

図書館を考えてみる(4) Google Booksについて

BS世界のドキュメンタリーで
<“電子図書館”の波紋~グーグル・ブックス構想をめぐって~>を観た。
原題は「Google and the World Brain」/
Poler Star Films / BLTV (スペイン 2012年)制作とのこと。
Gbbok
グーグルが世界の書籍をスキャンし電子化していることは広く知られている。
番組ではその賛否、それぞれの意見を取材していた。
評価する側で登場したのは、グーグル役員やWiredの編集長。
否定する側は、主にグーグルブックスによって著作権を侵害される側。
図書館(ハーバード、オックスフォード、フランス国立など)の運営者も多く登場したが、彼等の賛否はまちまち。
この図書館の賛否の旗色で、ひとつ疑問が解けた。
疑問とはグーグルブックスで閲覧できる図書が、なぜか特定の図書館に偏っているな、というもので、前からちょっと不思議だった。
番組によれば、グーグルブックスに賛成の図書館は、著作権の切れた多くの書籍をグーグルに提供し、スキャンさせているそうだ。どおりで図書館に偏りがあるはずだ。フランス国立図書館など、グーグルブックスに否定的な図書館は、グーグルに本を提供していないとのこと。なるほど、そういうことか、とわかった。
私がグーグルブックに興味を持ったのは、3年ほど前。
当時、横浜開港時(1850~70年頃)の「美術品としての絹織物」にまつわる本を執筆していて、ほぼ一年間、関係資料を漁る毎日だった。専門図書館にもずいぶん通ったが、いちばん利用したのはグーグルブックスだったかもしれない。グーグルブックスの検索キーワードで、あらかじめ資料をリスト化できたからだ、助けになったのは、タイトルのリスト化だけでなく、どの頁に知りたい内容が載っているのかが、あらかじめわかることだった。
1000頁を越えるような分厚い本、たとえば各国の税関記録や、万国博覧会の出品リストなどを最初から最後まで読むことは不可能だ。あくまで資料や裏付けの記録として一部を読む。そうした場合にグーグルブックの検索威力は絶大だった。本当に知りたいことを浮かびあがらせるための検索には、それなりにコツが必要で、はじめは苦労した。しかし自分なりのコツを掴むと、思わぬことまで浮上してくるようになった。たとえば150年近くも前のアメリカの地方美術館で展示された、日本の絹織物作品やその陳列図までPDFで読むことができた。
無料とは言え、金銭以外での代償は払わないといけない。閲覧履歴はすべてグールに握られることになる。そのあたりをどう考えるかで、この電子図書館の賛否は分かれるだろう。
著作権切れの本はセーフ! 版権ありの本は目的が〝フェアユース〟でもアウト! 
それが目下の私の意見だ。

2013/09/23

THE TOKYO ART BOOK FAIR / ZINE'S MATEへ。

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21日、22日の両日、東京アートブックフェアへ。初日は1Fを巡り。2日目は2Fを。圧倒的な出店数とZINEの数、それに来場者も予想以上に多かった。
この催し、世界のZINEと巡り逢える貴重な機会であると同時に、あまりにも本が多すぎて、かえってすべてが埋もれてしまうという皮肉な結果にもなっている気が……。
それでも、10冊近くを購入。買う基準は内容の完成度以前に、ZINEというメディアの可能性を感じさせてくれたもの。装丁、製本も含めて、いかに既存の本から自由になれるかを尺度にした。見逃したものも多々あったと思う。
二日間、足を運んでみて、個人による自由な表現メディアとして、ZINEが大増殖している現状がよくわかった。
今後は個人から他者へ訴える力を持った内容のZINEも、こつこつと発掘してみたい。

2013/09/11

図書館を考えてみる(3)TSUTAYAの図書館ビジネスモデル

本日(2013年9月11日)朝日新聞の朝刊に「図書館の未来」としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)の系列である、「図書館カンパニー」が佐賀県武雄市において、指定管理者として図書館の運営委託等を受けていることが紹介されていた。
記事を読む限り、見えてくるビジネスモデルは「本は儲からないので、コーヒーで利益を出す」というCCCが従来から行っている構造のように感じた。
書籍の粗利は2割程度。そこで粗利の大きい喫茶(水商売)を組み合わせるという手法。
単純な疑問1:本読む時に、いつからコーヒーが必須になったの?
単純な疑問2:600タイトルの雑誌を無料で読める場を街に造って、それでも雑誌出版社は存続していけるの?
この記事でひとつだけ、ヒントがあったのは、図書館に本屋を併設するというビジネスモデル。借りる場と買う場がどう共存していくか、これは興味深い。

2013/09/04

図書館を考えてみる(2)「無料貸本屋」の実態

図書館が「無料貸本屋」になっているという批判は、以前からある。
『公共図書館の論点整理』(図書館の現場7)の第一章「無料貸本屋」論/安井一徳著によれば、2000~2003年ごろに、もっともこの議論が高まったそうだ。
では現在、図書館はどの程度、ベストセラーを所蔵しているのか。
最新の直木賞受賞作『ホテルローヤル』がどのくらい区及び市の公立図書館に所蔵されているかを、ほんの少しだが自分で調べてみた。
結果は以下。選んだ図書館に特に意味はない。釧路を選んだのは、小説の舞台になっていたから。
図書館名    館数  冊数  予約数
--------------------------------------
港区立図書館  4館   04冊  396人
渋谷区立図書館 9館   19冊  506人
立川市立図書館 9館   09冊  223人
市立釧路図書館 7館   12冊  211人
那覇市立図書館 6館   06冊  118人
上の数字を見る限り、以前によく見かけた<ベストセラーの複数冊大量所蔵>は、現在では影を潜めているようだ。港区立図書館を例にとると、所蔵は合計4館で各1冊。それに対し、予約待ち人数は、本日(2013年9月4日)現在で396人。借りられる期間が一人2週間だから、延滞がないと仮定して、自分の番がまわってくるのまでに1386日(約3年9カ月)かかることになる。
借り手(市民)の利便性を考えれば、気が遠くなるほど待たされることになるが、切実に読みたい人は、食事代を削ってでも書店で買えばいいわけで、この所蔵数は、著者や出版社側にも納得のいく冊数だろうと思う。

2013/08/26

<本文化をアートする>ってどういうこと?

Project279の活動テーマは<本文化をアートする>とした。
その趣旨をカンタンに書く。
<本文化>とは、本にまつわる周辺のいろいろなこと全部。
本という物体そのもの/装丁/活字/歴史/本屋の形態/古書/デジタルブック/図書館/などなど。
<アートする>とは、従来の常識にとらわれないカタチを提案すること。
つまり<本文化をアートする>とは
本にまつわるさまざまなことを従来のカタチにとらわれずに
あれこれ考え提案してみる……ということになる。
とっかかりとして、妄想を膨らませているのは
「こんな本屋が欲しい!」というプランだ。
具体的になったら、また書く。

2013/08/24

図書館を考えてみる (1)

2013年8月18日朝日新聞The GLOBE の特集は「図書館へ行こう」だった。

記事で目を惹いたのが、津野海太郎氏の寄稿『「公共財としての本」守れ』。

― 著者と出版社が図書館に関しては権利の一部を放棄して、「商品としての本」をただで利用することを認める。その代わりに、図書館は出版物を「文化財」「共有資産」として、著者が死のうが出版社がつぶれようが可能な限り永久に保存し、誰にでも無料で閲覧させる義務を負う ― と津野氏は書いている。

同じ公共図書館であっても、国立から町・村立まで、さまざまな種類の図書館があるわけで、そうした図書館の役割には違いがあってしかるべきだろう、とわたしは思う。

ごく稀にだが、わたしは国立国会図書館を利用する。それ以上の頻度で、広尾にある都立図書館を利用する。そして日常的には港区立の図書館を利用している。調べる資料や文献で、この三者を使い分けている。国立、都立の図書館は、津野氏の指摘にあるように、<「公共財としての本」の収蔵・閲覧>が主目的であるべきだと思う。

では、区立・町立レベルの図書館の第一の役割・目的とは何だろうか……?

その役割に合ったライブラリーづくりとはどのようなものなのだろうか……?

そうしたことを、自分のメモ代わりに少しずつこのブログに書いてみたい。

公立であれ、私立であれ、図書館という施設がわたしは好きである。

本文化を考える上でも「図書館」は、大きなキーワードだと思う。

2013/08/20

ご連絡事項/8月20日

みなさまこんにちは。

暑い中にも、朝晩は爽やかさを感じるようになり、私も気分がやや上向きになってきているところです。

私が自営するギャラリーを拠点に、なにかイベントをやってみたいとも考えております。

具体的になりましたら、またこのスペースでご案内いたします。

残暑厳しき折り、何卒ご自愛ください。

2013/8/20

2013/08/19

本を、もっと面白く。

私自身、本を読むのが好きです。

また、個性的な書店を開きたい、という人が多くいる事実を知っています。

それは社会のためになることでもあるし、

ではどうするか・・・

ということについて、最近つらつら考えています。